2012年2月11日土曜日

みんなで選ぶベストラノベ2011 総合部門、新人部門、インパクト部門作者へのインタビュー『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』『脱兎リベンジ』『僕の妹は漢字が読める』


「ラノベの素」 みんなで選ぶベストラノベ2011総合一位、渡航先生「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている」 « ラノベニュースオンライン ライトノベル総合情報サイト
「ラノベの素」 みんなで選ぶベストラノベ2011新人部門第一位 秀章先生『脱兎リベンジ』 « ラノベニュースオンライン ライトノベル総合情報サイト
「ラノベの素」 みんなで選ぶベストラノベ2011インパクト部門第一位 かじいたかし先生『僕の妹は漢字が読める』 « ラノベニュースオンライン ライトノベル総合情報サイト

-ここから引用




「ラノベの素スペシャル」今回は 「みんなで選ぶベストラノベ2011」総合部門第一位『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』の著者、渡航先生です。
「みんなで選ぶベストラノベ2011」投票結果はこちら


やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。3 ドラマCD付限定特装版 (ガガガ文庫)
 イラスト:ぽんかん⑧

プロフィール

渡 航(ワタリ ワタル)
ライトノベル作家
1987年生まれ A型 みずがめ座
趣味は読書、アニメ観賞。特技は家事。現在は小学館ガガガ文庫より『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』を刊行中。1~3巻、3巻ドラマCD付特装版が大好評発売中。
最新巻4巻は3月16日にイラスト集付限定特装版、通常版と発売予定。



――本日はお忙しいところお時間を作っていただきありがとうございます。よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

――この度は『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』が「みんなで選ぶベストラノベ2011」総合部門第一位に選ばれました。おめでとうございます。

ありがとうございます。てっきり26位とかそのあたりかなーと思っていたので正直驚きました。

――渡航先生はラノベニュースオンラインをご存知でしたか?

はい。常日頃拝見させていただいております。ライトノベル界隈の情報収集に大変重宝しております。それと拙作のこともいろいろ取り上げていただいて……。今後も何卒よしなに(もみ手をしながら)。

――こちらこそ今後とも……(笑)。「みんなで選ぶ~」という企画もご存知でしたか?

twitterのほうで知りました。危うく投票するところでした、『脱兎リベンジ』に。ぎりぎりのところで堪えましたけど。

――脱兎リベンジにですか(笑)。ところで渡航先生は総合部門1位の他にもインパクト部門で5位、コメディ部門で3位にも入っています。総合的に人気が高い理由は何だと思いますか?

ぽんかん⑧さんの素敵イラストですね! あとは帯コメント! 毎回、凄い方にいただいているので「この先生が薦めるなら面白いんじゃないか……」み たいな刷り込みというかサブリミナルな効果が生まれているんじゃないでしょうか。あとは、なんでしょうね。キャラクターの生々しさというか、生々しいエピ ソードというか……、そうした無駄なリアリティ、これまでいろんなラブコメが避けてきた生々しい描写、現実というのがひとつのフックになったのかなぁと思 います。でも最大の理由はキャラクターの可愛さだと思います。何気ない仕草の描写もぽんかん⑧さんのイラストで脳内再生されることで魅力的になっているん じゃないかと。他には……謎の千葉県推しが千葉県民の支持を集めているのでは。

――実は新人部門にもランクインしてました(笑)。渡航先生の『あやかしがたり』はあまり認知されてないのかも?

いえ、それは間違いです。『あまり』ではなく、『まったく』認知されていない、が正解です。まぁ、『俺ガイル』とはかなり毛色の違う作品なので、認知されていなくても当たり前かなとは思います。全4巻発売中です。今なら全部初版で手に入ります!
「みんなで選ぶベストラノベ2011」で総合部門第一位を獲得した『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』著者、渡航先生のスペシャルインタビュー。

――では、『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』を読んだことがない方に見所など教えていただけますか。

まずは何も言わずにイラストをじっくり見てほしいと思います。それと帯コメントを読んでください。この2点に関しては他のどの作品にも負けてない自 信があり ます! あとは主人公がクズいので、読んでいただいて『俺はまだ大丈夫』と安心していただけると思います。それから今後大きな何かがあるとかないとか噂だ けは先行してますので今のうちに青田買いできます。

――主人公やヒロインについて教えてください。

主人公について
八幡は……、その何でしょうね。
眼と性根が腐っていて、将来の夢が専業主夫という主人公にあるまじき感じの男の子ですね。友達も彼女もいらんと結構本気で思ってしまっていて孤独を 肯定するだいぶアレな子です。持ってるスペックとしては結構優秀なんですけど、如何せん性格がね……。正々堂々卑屈というか清々しい爽やかクズという か……、ああ、こりゃ友達いないわーと納得してしまうようなキャラクターですね。別に過去のぼくがこうだったとかそういった事実はもうほんとまったくもっ て全然ございませんよ。

ヒロインについて
果たしてヒロインは誰なのか……。
一応ダブルヒロインくらいのつもりで考えています。
一人目の雪乃は、家柄も良く文武両道で家事も得意な完璧美少女なんですが、その優秀さ故に集団から弾かれてしまう子です。本人もその優秀さに自覚的 であるのがさらにたちが悪い。客観的に考えて自分が悪いはずはないと断じることができてしまう。この子も孤高を肯定してしまえるんですね。あと、言葉を選 ばない、遠慮をしない、空気を読まない、手加減しない、良くも悪くも自分の意見をしっかり持ったまっすぐな子です。完璧美少女だったはずが最近は……あ れぇ?

二人目の結衣は雪乃とは逆で、空気を読みまくって自分を押し殺し周囲の顔色をうかがうことで学校生活を乗り切ってきた女の子です。クラスでも派手な グループに属していて見た目は今時の女子高生って感じですが、それすらも周りに合わせてきた結果で本人の性格は非常に乙女チックです。雪乃の、あるいは八 幡の芯の強さ、ぶれなさに触れてからは自分の意見をちゃんと言えるようになり、もともとの優しい部分が出せるようになってきました。と、同時にアホな部分 も隠さなくなりました。こいつ、こんなにアホだったっけな……。

そして、メインヒロインの戸塚彩加ですが、可愛くて主人公の八幡的にも好感度が一番高いです。でも男。

――渡航先生が一番お気に入りのキャラクターは誰ですか?その理由も教えてください。

材木座義輝です。単純に書いていて楽しいからですね。中二病を患ってしまっているんですが、そういうところ抜きにしてもバカな男子を書くのは楽しいです。

――小説を書くのに一番苦労するのはどんなところですか?

ネタ出しです……。シリーズ全体の流れに関わることはもちろん、各巻の大あらすじ、プロット、各話単位での掛け合い、モノローグでの小ネタに至るまで、いろいろ仕込んでいくのでこれが出ないと進めていくことが出来ません。毎回、本当に苦労します。

――小説を書くのに特に気をつけている(こだわっている)のはどんなことですか?

文章のリズム、テンポです。日本語には読んでいて気持ちのいいリズム、例えば七五調なんかですね、そういうリズムがあるので、読んでいて一番気持ち のいい形に整えていくことです。シーンに合わせて描写量を変えて緩急をつけたり、印象的なくだりは語彙を取捨選択していくことなどにも注意を払っていま す。

――先生にとってファンになってくださる読者はどんな存在ですか? あとファンレターはやはり嬉しいですか?

どんな存在……、親とか家族とかですかね。特にぼくの場合は、前作の「あやかしがたり」が全然売れなかったわけですけど、その作品が4巻まで続けら れたのは数が少ないながらも支え続けてくださった皆さんがいたからだと思っています。売れない作家って読者の方の存在を肌で感じるんですよ。だから、この 人たちのために全力を出そうと思えるし、頑張り続けることができる。いいことも悪いことも言っていただけるし、凄く身近で助けられていると実感します。な ので、親とか家族に近い存在。
ファンレターはとても嬉しいです。辛いときや悲しいときや苦しいときや会社行きたくないときにそっと読み返して力をいただいています。ほとんど毎日読んでます。会社行くの辛い。


――最後に読者の皆さんに一言お願いします。

いつも応援ありがとうございます。おかげさまで「みんなで選ぶベストラノベ2011」総合1位をいただきました! 『俺ガイル』はまだもうちょっと だけ続きますので、これからも宜しくお願い致します。さしあたっては直近3月16日発売の4巻を宜しくお願いします! 今後も何かといろいろあるようなの で、お楽しみに!

――本日はお忙しい中ありがとうございました。「みんなで選ぶベストラノベ2011」総合1位『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』著者、渡航先生でした。

ありがとうございました。

お忙しい中インタビューを快く受けてくださった渡航先生ありがとうございました!『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』4巻は3月16日発売です!



「ラノベの素スペシャル」今回は 「みんなで選ぶベストラノベ2011」新人部門第一位『脱兎リベンジ』の著者、秀章先生です。
「みんなで選ぶベストラノベ2011」投票結果はこちら。


イラスト:ky

秀章先生プロフィール
ガガガ文庫御大に拾われた埼玉県在住の好青年。ペットはハリネズミ。浅く広く色々好きですが、日本語ラップが飛び抜けて好きです。あとお酒。

――本日はお忙しいところありがとうございます。よろしくお願いします。

いえいえ、こちらこそありがとうございます。よろしくお願いします。

――この度は「脱兎リベンジ」が「みんなで選ぶベストラノベ2011」新人部門第一位に選ばれました。おめでとうございます。

ありがとうございます。投票してくださった方全員とビールかけしたいです。それか凱旋パレード。

――凱旋パレードはちょっと難しいですね(笑)。秀章先生はラノベニュースオンラインをご存知でしたか?

はい。Twitterでフォローして頂いて、僕もフォローし返しましたので。やらしい話「フォローしとけば宣伝とかしてくれんじゃね!?w」って。まさかこんなに早くその下心が実るとは思ってもみませんでした。本当にありがとうございます。

――こちらこそフォローありがとうございます。では「みんなで選ぶ~」という企画もご存知だったんですね。

はい。格付けされる側として一喜一憂するのも、外野としてあーだこーだ言うのも嫌いじゃないので、こういう企画はいつも楽しみにしてます。
――とか余裕ぶっこいてますけど、どうなんでしょうね。これって多分、今回たまたまいい結果だったから言えることであって、来年自分の作品が箸にも棒にも掛からなかったらこういう企画を小憎たらしく思うかもしれませんw

――(笑)。では「脱兎リベンジ」を読んだことがない方に作品の内容を教えていただけますか。

『文化祭でバンドをする』っていう妄想は誰でもすると思うんですけど、これはそれです。『手垢まみれのベタを真正面から書いてやろう』っていうのがこの作品の出発点でした。
ダメダメだった主人公がヒロインたちとの出会いをきっかけに覚醒し、自分を馬鹿にしてきたヤツらを見返すべく文化祭でのライブを目論むというお話です。ベタですね~w ただその分かなーり青春してるので、青春モノがお好きな方にはお楽しみ頂けるのではないかと。
あ、でも綺麗な感じの青春じゃなくて、かなりドス黒い熱血系です。それとエンターテイメントであることもちゃんと意識して作ってますので、その辺りはご安心下さい。ドス黒いけど明るいですし、ベタだけど読み手を出し抜くネタもどんでん返しも仕込んでます。
セールスポイントは〝このライトノベルがすごい!2012で38位〟というところです。

――主人公やヒロインについても教えてください。
主人公について
主人公の兎田晃吉は、まーダメダメです。才能と努力に裏打ちされた実力があるにもかかわらず、相当鬱屈してます。卑屈です。軽音楽部に所属している のですがハブられてます。最初は読んでてイライラするかもしれません。そんな男なのに、まさか後半、あんなに大化けするなんて…!

ヒロインについて
ヒロインの兎毛成結奈は漫画研究同好会の会長で、かなり負けん気が強く向上心も人一倍持っている人物です。兎田に発破をかけまくり、ぐいぐい兎田を 引っ張っていきます。好戦的で勝気な笑みがよく似合う、姉御肌の女の子です。それがまさか、あんな秘密と本心を隠し持っていたなんて…!

――では秀章先生が一番お気に入りのキャラクターは誰ですか?

ベタでごめんなさい。全員大好きです。主人公側の主要キャラは全員カッコいいので言わずもがなですし、何人か悪役も出てきてこれがまたすごい嫌な奴らなんですが、僕はこいつらも人間臭くて大好きです。

――小説を書くのに一番こだわっているのはどんなことですか?

あー、あんまりそういうのは考えたことないですねー。こだわるべきポイントって作品ごとに全部違うと思ってるので、強いて言えば〝どこにこだわるべき作品なのかを見極めること〟に気をつけてるって感じですかね。まぁ仰々しく言ってますけど普通です。
あとは〝原稿はこまめに保存する〟とかですかね。

――原稿が消えた経験があるんですか!?他に作家として普段から気をつけていることなどあれば教えてください。

炎上しないように言動には気をつけてます。

――(笑)。では先生にとってファンになってくださる読者はどんな存在ですか? ファンレターは嬉しいです?

いろんな意味で親みたいな存在だと思います。ファンレターはもうめちゃくちゃ嬉しいですよ。ブログとかTwitterとか、あとメールで直接メッセージを頂いたりするんですけど、その度にニヤニヤしてます。そのニヤニヤっぷりは我ながら相当キモいですがこればっかりはしょうがないです。ニヤニヤ


――最後に読者の皆さんに一言お願いします。

僕は去年デビューした全新人の中で一番の幸せ者だと思ってます。それは皆さんのおかげです。本当に感謝しています。が、それでも全然満足してないですし、読者の方々を満足させたとも思ってないです。これからです。
何とかこの業界にしがみついてもっと面白い作品をたくさんみなさんにお届けしたいと思ってます。なので、もしよろしければガガガ文庫作家陣共々応援の程よろしくお願いします。

――本日はお忙しい中ありがとうございました。「みんなで選ぶベストラノベ2011」新人部門1位「脱兎リベンジ」著者、秀章先生でした。

近々新作が…ゴニョゴニョという感じなので、そちらも合わせてお楽しみ頂けると嬉しいです。この度はありがとうございました!

忙しい中インタビューを受けてくださった秀章先生ありがとうございました。
「みんなで選ぶベストラノベ2011」新人部門第一位『脱兎リベンジ』。オススメです!




「宇宙人」と揶揄され、友達もいない内気な高校生・兎田晃吉。
軽音楽部に所属する彼の唯一の趣味はギター。 文化祭を控えるも、彼にはバンドを組む仲間もなく、イケメン部長・志鷹の嫌がらせで練習場所もない。そんな兎田と偶然出会い、事情と実力を知った漫研の部 長・兎毛成結奈は、彼にリベンジを遂げさせるため、なにやら妙な友達を集め始めるのだが…。
軽音部の笑われ者と、漫研の実力者、ふたりの残念な出会いが新しい才能を開花させる。クソッタレな世界をねじ伏せろ。第5回小学館ライトノベル大賞・ガガガ賞受賞作。



[関連サイト]ガガガ文庫




「ラノベの素スペシャル」今回は 「みんなで選ぶベストラノベ2011」インパクト部門第一位『僕の妹は漢字が読める』の著者、かじいたかし先生です。
「みんなで選ぶベストラノベ2011」投票結果はこちら。



僕の妹は漢字が読める (HJ文庫)  

《作品解説》
『僕の妹は漢字が読める』
著/かじいたかし イラスト/皆村春樹
漢字が衰退し、萌えが文化の主流となった23世 紀の日本。作家志望の主人公イモセ・ギンは、憧れの大作家であるオオダイラ・ガイに会うため、クロハとミルというふたりの可愛い妹と連れ立って、オオダイ ラのもとを訪れる。しかし、そこでギンや妹たちは謎の現象に巻き込まれてしまい――。第5回「ノベルジャパン大賞」(現HJ文庫大賞)銀賞受賞作。既刊1~3巻(20122月現在)


――本日はよろしくお願いします。かじい先生のプロフィールを教えていただけますか?

かじい:はじめまして。かじいたかしと申します。2011年、「第5回ノベルジャパン大賞」銀賞を受賞して、本作でライトノベル作家としてデビューしました。趣味はとんかつ食べ歩きです。

――この度は「僕の妹は漢字が読める」が「みんなで選ぶベストラノベ2011」インパクト部門第一位に選ばれました。おめでとうございます。

かじい:ありがとうございます! 本当に嬉しいです。何かで一位になるなんて、ちょっと記憶にないものですから。

――この「僕の妹は漢字が読める」は、『第5回ノベルジャパン大賞』銀賞受賞作ですが、受賞時の感想をお教えください。

かじい:もう、完全に一次選考で落ちるとばかり思っていたので、信じられなかったです。夢心地になって、「やったー!」と叫びながら、階段を駆け降 りたり、駆けのぼったりしました。相当騒いでいたらしく、隣のおうちの方が僕の受賞を察知したほどでした。あのときは近所迷惑でした、すみません……。

――デビュー前のことについて教えてください。ライトノベル作家をめざしたきっかけとは?

かじい:子供の頃、貪るようにライトノベルを読んでいて、大きな影響を受けていまし た。いずれラノベ作家になってみたいと思っていたところ、かつて愛読していた『RPGマガジン』の出版社(ホビージャパン)がライトノベルのレーベルを 持っていると知りまして……。思い切って応募したら、幸運にも賞をいただきました。

――作品投稿時のことについて教えてください。そもそも、この作品はどんなきっかけで思いついたのですか?

かじい:なんか、ぽろっと思いつきました()。お風呂上がりに、自分の部屋でぼんやりしていたら、突然、頭の中に設定が降ってきたんです。本当に自然発生的なものだったので、きっかけと言われると困ってしまいまして……強いていうなら直前に入っていたお風呂でしょうか?

――キャラクターについて教えてください。主人公・ギンは基本的にボケ役で、他のラノベの主人公とは異なる点も多いキャラクターですが、このキャラクターが生まれたきっかけ、キャラクターを描く上で気をつけているはどこですか?

かじい:ライトノベルの主人公はツッコミ役が多いため、あえてボケ役を主人公にすえて、その頭の中身をモノローグでつづったら面白いんじゃないかと 考えた結果、あんなキャラになりました。実は、最初に思いついた段階でのギンは作家志望の高校生ではなく、『オオダイラ・ガイの担当編集者』という設定 だったんですよ。いろいろ考えて今の設定になりました。描く上で気をつけているのは、ギン君の馬鹿っぽさ、天然っぽさを忘れないようにすることです。

――同じく、ヒロインのクロハ、ユズ、ミルについてもお教えください。

かじい:クロハはギンとの対比もあって、しっかりしたツッコミ系の妹という設定になりました。ユズはギンとダブルボケの掛け合いをさせたくて、天然 気味の性格に。ミルは当初、無垢な幼女というコンセプトだったんですが、それだけだとどうにもキャラが弱かったため、口が悪いという設定を付け加えまし た。

――キャラクターのなかでも特に異彩を放つ人物、オオダイラ・ガイ先生についてお教えください。このキャラクターは、いったいどこから生まれたキャラクターなのでしょうか?

かじい:さきほど、作品を『ぽろっと』思いついたと答えましたが、そのとき一緒に湧いて出たキャラクターです。他のキャラはあれこれ考えてつくったキャラですが、オオダイラは自然発生したキャラです。

――ネットでも大きな話題を呼んだ、オオダイラ先生の文章(通称「オオダイラ文体」。HJ文庫の公式ページにある「“ちょこっと”立ち読み」でも読むことができます)ですが、このアイデアはどこから来たのですか?

かじい:古典を読むと、文章が現代の日本語とぜんぜん違うじゃないですか。だった ら、未来の日本語も今とはかなり違うものになっているだろう、と考えました。未来の文章は、現代の人間が読んだらきっと眉をひそめるようなものになってい るだろうと想像して出来たのが、アレです。

――ネットで大きな反響のあった作品ですが、反響を見た際にどんな感想を持ちましたか?

かじい:ネットは、ヘタに見すぎると精神を破壊される恐ろしい世界なので(笑)、あんまり見ないようにしています。ですが、反響があるのはとても喜ばしいことだと思います。
 
――ネットでは、この作品が「現在のラノベ界を批判している、ディスっている」と考える人もいたようですが、そうした意見についてはどうお考えですか?

かじい:びっくりしました。批判するつもりなんて、まったくなかったので。僕はこの作品を、世の中のあらゆる創作物を応援する気持ちで書いています。

――かじい先生が一番お気に入りのキャラクターは誰ですか? その理由も教えてください

かじい:クロハです。理由は黒ストッキングをはいているから!

――小説を書く際に一番気をつけている(こだわっている)のはどんなことですか?

かじい:この1冊を読む事で、読者の皆さまに、ささやかでも“非日常体験”をしてもらえたらと願いながら書いております。

――現在、日辻ハコ先生による「僕の妹は漢字が読める」のコミカライズが、WEBコミック誌『コミック・ダンガン』で連載中ですが、こちらについての感想もお願いします。

かじい:コミカライズしづらい作品を、よく引き受けていただけたなあ、と思います。日辻先生、ありがとうございます! 原作よりキャラに暖かみがあって、読んでいるとほっこりした気分になります。

――先生にとって、ファンになってくれる読者はどんな存在ですか? あとファンレターをもらうのはやはり嬉しいですか?

かじい:読者の存在はもちろん神様です。いつも大きな励みになっています。ありがとうございます! ファンレターも頂けると嬉しいです!


――最後に読者の皆さんに一言お願いします。

かじい:おかげさまで、現在3巻までシリーズを出すことができました。今後も全力で、1冊1冊を大切に頑張っていきますのでよろしくお願いします。

――本日はお忙しい中ありがとうございました。「みんなで選ぶベストラノベ2011」インパクト部門1位「僕の妹は漢字が読める」著者、かじいたかし先生でした。

かじい:こちらこそ、ありがとうございました。

お忙しい中インタビューを受けていただいたかじい先生ありがとうございました。
「みんなで選ぶベストラノベ2011」インパクト部門第一位、かじいたかし先生の新刊「僕の妹は漢字が読める3」は絶賛発売中です!

[関連サイト]HJ文庫


  

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